異世界の扉

□Pretty Boy
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Pretty Boy

本当に可愛くて、目に入れても痛くない愛息子があたし達には居る。

「ママ。」
「どうしたの?優毅。」
「パパは何時帰ってくるの?」
「今日帰ってくるって言ってたよ。」
「また、お仕事長引いちゃってるのかな?」
「かもしれないわね。」
「パパ大丈夫かな?お仕事から帰ってきて、倒れないかな?」
「大丈夫よ。優毅がお帰り!って抱き付いたら。」
「それだけでいいの?」
「うん!パパ言ってたわよ。優毅に抱きつかれたら、疲れが吹っ飛ぶって/笑。」
「本当?」
「うん。だから、何時もよりぎゅってしてあげて。いい?」
「うんっ!」

優毅は本当に良い子だ。

司の子だから、もっと我が儘で俺様な悪ガキになるかと思った。

でも、親思いの良い子に育ってる。

まぁ、我が強いしたまぁに俺様の片鱗が垣間見れる時もあるけど。

優しい子だよ。

「ただいま。」
「あっ!パパだ!!」

玄関で司の声がするや否や駆け出す優毅。

転ばないか心配になるけど、そこは司の子。

運動神経はハンパなくある。

5才にして、SPを巻くくらいだもん(苦笑)
「パパ!おかえりなさい!」
「おう。優毅。ただいま。」
「パパ疲れてない?大丈夫?」
「あぁ。大丈夫だ。ちっと疲れたけど、優毅の顔見たら吹っ飛んだ。」
「よかった。ままの言った通りだ。」
「つくしが何だって?」
「僕がパパに抱き付いたら、パパの疲れが吹っ飛ぶって。」
「だから、とんできたのか?」
「うん!」
「良い子だなぁ。優毅。」

司が優毅の頭をなでて、抱き上げる。

優毅は誉められて満足気だ。

「へへっ///。パパ、大好き。」
「パパも好きだぞ。」

ほんと、微笑ましい光景だ。

英徳に居た頃は、こんな幸せな光景が観れるなんて思ってなかった。

世界で一番は優毅だ。
お互い、今は二番目になっている。

「お帰り。司。」
「おう。ただいま。つくし。変わったことはなかったか?」
「なかったよ。まぁ、優毅がSPを巻いてどっか行っちゃったくらい。」
「どこいったんだ?優毅。」
「ママが大好きな大福買いに行ってた。ゆうちゃんとこに。」
「なんで、SP巻いたんだ?」
「だって、勝手に動くなってうるさいんだもん。」
「うるさいか。確かにな/笑。」
「僕、一人でも平気だもん。なのに、行く所行く所ケチつけられてさ。幼稚園の帰りに、ママにお土産買いに行きたかっただけなのに。」
「で、我慢できなくなって巻いたわけか。」
「そう。走ったら、SP2人共追いつけなかったんだよ!」
「さすが、俺様の子/笑。」
「でも、こっちは大変だったんだから。SPからぼっちゃんがいなくなりました!って聞いて、心配したし。」
「でも、ちゃんと帰ってきたよ。」
「そうだけど。」
「優毅。巻きたい気持ちも分かるけど、ママが心配すっからやめような。お前は、確かに5才にしちゃすげー運動神経してる。でも、まだちっちゃいから悪い大人にさらわれっかもしんねぇ。わかるな?」
「はい・・・。ごめんなさい。」
「わかったんならいいんだ。まぁ、SPには俺から言っとく。もっと、自由に何処へでも行けるようにしてやれって。」
「ありがとう!パパ。」
司は、優毅を怒鳴る事はしない。

昔は、何かと怒鳴ってたけど今は全然だ。

優毅は俺の子だ。

ちゃんと、言い聞かせれば分かるって。

対等に付き合ってる。

「にしても、優毅。いいところあんな。ママに大福か。」
「だって、ママ最近お婆様のお手伝いで疲れてたから。甘いものが食べたいって言ってたし。」
「そっか。取引先を招いて親睦を深めるためって、パーティー開くって言ってたもんな。お袋。」
「社長夫人として、準備を手伝ってって頼まれたの。知らない人ばかりだったし、知らない事だらけだったから疲れてたのは本当だよ。甘いもの食べたいって言ってたかも。よく覚えてるね。優毅。」
「おぼえてるよ。だって、パパの子だもん!きおくりょくはいいんだよ!」
「優毅・・・。おめぇ。いい奴だな。」
「本当。大福持って、ただいま!って帰ってきたときは、嬉しかったよ。お土産!って渡してくれて。」
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