†同人駄文†

□光 S×K
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今日は茹だるような暑さだ。
こんな日は決まって俺の天敵の太陽が出ている。
俺は、ヴァンパイアだからこんな日は締め切った部屋で冷房をガンガンかけてソファーに寝そべっていた。

「あぢ〜!」

うちの王子のご帰宅だ。

「ショウ、どこ行ってた?」
「兄貴んとこ。あと…これ買いに行ってた/笑。」

ショウの手にはアイスクリームがあった。

「それ一人で食うのか?」
「まさか。ケイも食うだろ?」
「俺は要らないよ。ってか、そんなデカイカップアイス買ってくんなよ。食べきれねぇんだから。」
「…ごめん。今日暑いからケイも涼しくなるようにってデカイの買ってきたんだけど…。」

ショウがショボ〜ンとしてキッチンに消えてった。
家の王子は身体は大人になっても、心は子供のときと変わらない。

泣き虫で、寂しがり屋で、逢った時と何も変わらない。
昔からこういう暑い日には決まってデカイカップのアイスを買ってきては俺に食わせようとする。

俺はヴァンパイアだ。
人間のように食事はしなくなった。
それに、食べたところで何の満腹感も得られない。
人間だった頃を思い出して、辛く…虚しくなるだけだ。

人間だった頃一番の大好物だったのがアイスだった。
本当に良く食ってたなぁ…。

だからかな?
俺は余計アイスを食べたくないんだ。

その話をしても、ショウは俺の分も必ずアイスを買ってくる。

俺の暑さを取り除くためなのか、はたまた別の理由があるのか分からないが気持ちだけはいつも受け取っていた。

でも、今回は一段と暑い。
だから、さすがの俺も今回ばかりは食うと思ったんだろう…。

何時にもまして落ち込んでるショウの背中が見えた。
またいつもみたいにカップを抱えて座りながら一人でアイスを食っているんだろう。

しょうがねぇなぁ。
今回は食うか(笑)

「ショウ?」
「何?ケイ。」
「俺にもそれ頂戴、一口/笑。」
「えっ?マジで?食うの?」
「うん…。久しぶりに食いたくなった。俺、もうアイスの味忘れちまったから…。それに、今日は暑いしな/笑。」
「ケイ…無理してない?俺が何時も以上に落ち込んでるから。」
「無理なんかしてないよ/笑。ショウ、早くそれ頂戴!」
「わかった。今器に移す。」
「バ〜カ。俺はショウが食べてる奴が食いたいの!一口頂戴?ア〜ンってしてvV」
「バ、バッカじゃね〜の///。自分で食えよ!ほら。」
「嫌だよ。ショウが食わせて/笑。」
「分かったよ///。食わせりゃ良いんだろ!食わせりゃ///。」
「あぁvV」
「じゃあ…ア〜ン。」
「ハグッ…旨い。このアイス、イケるな/笑。」
「アイスの味思い出した?」
「あぁ…。思い出したよ/笑。」
「嫌な事は?」
「思い出さないよ。もう、大丈夫みたいだ。ショウと一緒なら俺、食べるって行為…またしても良いかも。」
「ほんと?」
「あぁ。俺が嘘ついたことある?」
「ない。ケイは何時も俺のことを真実に導いてくれるから。」
「そんなたいそうな事してねぇよ/笑。ほら、ショウ!後は後で食え。お前、腹壊しやすいんだから。」
「ガキ扱いすんじゃね〜よ!」
「バ〜カ。お前は俺からすれば何時までもガキなんだよ/笑。」
「でも、見た目は変わんねぇじゃん!ってか、俺もう19だぜ!あっ…。」

ショウはしまった…という顔をした。
俺に歳の事を言うのはショウにとっては禁句らしい。
俺は無意識のうちに悲しそうな顔をして、いつも同じ事を言うから…。

「そうだな…。でも、いつかは見た目も追い越されるな。でも、俺は変わらないし、お前と何時まで居られるかも分からない…。俺は…。」
「もう良いよ!その話は。もう聞き飽きた!」
「ショウ…。」
「あっ…ゴメン。」
「いいよ。なぁ、ショウ?」
「何?」
「俺達、もう離れたほうがいいかもな。」
「またその話かよ…。俺は…俺は嫌だからな!」

ショウが勢い良く部屋から出て行った。
俺は、追っていきたかったけど今日外に出るのは危険すぎる…。

あれから、4時間が過ぎた。
と言っても、まだ日は出ているし、暑いし…俺にとっては危険すぎる時間帯には変わりない。

だからと言って、ショウをほっとく訳にも行かない。

ショウは自分がもう要らない存在なんじゃないかと考えながらどこかに居るのかもしれない。

あいつはそう考えると、何をするか分からない…。
それか、あのショウの事だから、賭けているのかもしれない…。
俺がリスクを犯してまで来てくれるか…。

それだけ、俺がショウのことを必要としてるってことをかけたいんだろう。

じゃあ、その賭けにのってやろうか…。










俺はフード付きの長袖のパーカーと、長いパンツに着替えた。
少しでも、リスクを軽減させる為に…。


そして、俺は一呼吸ついて外に出た…。

〔ショウside〕

俺はどれだけ外を彷徨ってただろう。
ケイは最近ダイエットを始めた。

そして、俺の為といって離れようとも言ってきた。
ふざけんな!俺は…ケイが好きだ。

ケイと離れたくない…。
あいつは俺が死ぬのを見るのが嫌なんだ。

ケイはこんな太陽の出ている中でも俺を探しに来るだろうか…。

俺は、賭けをした。
イーチェの絵がある公園で3時間待っても来なかったら、ケイと離れようって…。

そして、俺は公園に着いた。
そこには、いかにも危なそうな男達が屯ってた。

このマレッパは移民の町、明るかろうが暗かろうが関係なく人は殺されるし、人もそれを見て見ぬ振りをする。

そして、どんな奴が居たってかまやしない。
こいつらには見覚えがあった。

半年前に間違えて入ったゲイバーの男達だ。
さんざん俺を口説いてきたが、無視して仕舞いにはその中の一人を撃ったっけ…。

ヤバイと思ったが、こいつらはきっと覚えてないだろう。

その考えが甘かった…。
その中の一人が俺のことを覚えてやがった。

「あ〜ら、ショウちゃんじゃないの。」
「・・・。」
「シカトしてんじゃねぇよ。あの時はどうも/笑。」
「どのときだよ…。」
「さんざん、俺達が可愛がってやるって言ったのに無視した挙句に俺らの仲間一人を病院送りにしたよなぁ。」
「ぁあ?そんなのいちいち覚えちゃいねぇよ!」
「なんだと!このガキ!今度こそ可愛がってやるから覚悟しろよ!」
「何すんだ!このやろう!!」

俺は7人のガタイの良い男達にリンチされた。
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