04

□Andromeda
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ここは森の中の静かな湖畔。木々の隙間から木漏れ日が差し込み、水面は風で揺れ、落ちた葉からは波紋がいくつも現れては消える。

美しい色をした鳥や野うさぎ、他の動物達が平和に暮らす場所。

そして、ラクスの一番お気に入りの秘密の隠れ家。

何か悲しい事があった時、足は自然と湖へ向かっていた。いつの間にか仲良くなれた動物達に囲まれていると、不思議と負の感情が消え去るのだ。


今日も、ラクスはここへ来て一人泣いていた。


「…ふ、ぅ…っく」


理由は親が勝手に決めた婚約。彼の事は好きだが、結婚するならちゃんと恋愛を経た相手と、そうずっと夢見てきたのに、父親は幼稚な夢だと愚弄した。

ラクスは由緒正しい貴族、クライン家の一人娘。見合う男と結婚し、いずれは跡取りを。それが義務だと言うのだ。

だからラクスは家を飛び出した。今まで親の言う通りの人生を歩んできたラクスだったが、もう限界だった。


「どこか遠くへ行きたい…っ」


自分を知ってる人のいない、そんな場所へ。

そんな時、ラクスの肩に降りてきた緑色の鳥。首を傾げて一鳴きすると、まるで慰めてくれるように頬にすり寄ってきたのだ。



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