薔薇物語
□目は口ほどに。
1ページ/3ページ
臨床犯罪学者、火村英生。
彼は俺の心が読める。
それは、それは、大学から今に至るまでに、素晴らしく進化を遂げた。
大学の頃は、
『仕草』、
『表情』、
『名前の呼び方』、
とハンデは多かったが。
最近では名前を読んだだけで、肩を抱き寄せてくれたり。
コーヒーをいれてくれたり。
手をつないでくれたり。
更に名前を呼ばずとも、ふと見つめてみたら、
「アリス」
と、手招きして、優しいキスをしてくれたりした。
なんでわかるの?
口に出さなくても、彼は応えてくれる。
「アリスだからだよ」