□シアワセ2
1ページ/4ページ


「ラクス、最近はどう?」

「キラ…大丈夫です、もう物が無くなったり、怪我するような事はありませんわ
相変わらず無視されてますが…私にはキラが居ますから、関係ないですし」

「そっか…でも、何かあったら言ってね?」

「もう、心配性なんだから」

ギュッと抱き締めてやればクスクスと微笑んで、だけど、遠慮がちに背中に腕が回される

小学校から一緒で、ずっと好きだったラクスは今、僕の彼女になった

クラスが違うから、授業は一緒にいれないけれど、休み時間はずっと一緒にいる

昔からの知り合いや彼女の双子の妹のミーアは、ラクスの性格からしてこんなに僕に依存している事に驚いてはいたが
僕と付き合い始めて暫くしてから、ラクスはイジメにあっていた事を打ち明け
キラが味方だから頑張れるのだと笑って話してからは
皆も納得したのか聞いてきたりしなくなった

キーンコーン…

「あ…もう予鈴が…キラ…次の休み時間にも、来てくれますか…?」

「もちろんだよ、教室隣なんだから…直ぐに来るからね」

チュッと音をたてて額に口付けてやれば不安気な表情が一変して花のような笑顔で手を振り教室に入って行った

「やっべ!センセー来ちゃう!!」

バタバタとラクスのクラスメートが走って来るのが見え反射的に腕を掴む

「うわ!?あっぶねーな!何す…ッ!」

転けそうな身体を何とか持ちこたえ眉を吊り上げ振り向いた男子生徒はキラの姿にサッと青ざめる

「ねぇ、ちゃんと言った通り、ラクスに危害加えて無いよね?」

「あ、あぁ…もう…無視ぐらいしか、してない…
か、剃刀付けた奴も制裁受けて…反省、したし…」

「当たり前でしょ。ラクスの柔肌に傷が残ったらどうする気だったんだか…
死んでも償えないよねぇ?」

疑問符は着いているものの、男子生徒に問いかけている雰囲気ではなく
冷や汗を垂らしながら一刻も早くキラから解放されるのを待った

「こらー、もうすぐ本鈴鳴るから教室入れー!」

「あ、はーい
じゃ、今後もラクスをちゃーんとイジメてよね?宜しく、ね?」

廊下の向こうから歩いて来る教師の言葉に返答を返し
手を離すと男子生徒にしか聞こえないように告げ教室へと戻る


.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ