□希望
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ヤマトコーポレーションとクラインカンパニー
世界に名高い二大企業だ
創業年数やジャンル等被る部分が多く設立当初からのライバル同士
もっと歴史を遡れば、ヤマト家もクライン家も戦国時代から確執があった

常にお互いが様々な分野で同じくらいでライバルとして競いあっていた

そして何の因果か、ヤマト家とクライン家には常に同年代の同性の子供が居て、学歴も同じで幼少期から競い合うのだ

今の跡継ぎもまさしくそうなのだが、今までと違うのは今回だけは同性ではなく異性の跡継ぎだった

その為か、ヤマト家の息子とクライン家の娘は互いに対面しないままに大人に成長した

しかし、それぞれ親から相手の話を聞かされまだ見たこともない相手を敵視して絶対に負けないようにと思っていた



(ふふふ…ヤマトコーポレーションの面接も大したことありませんわね)

桜色の特徴的な髪を後頭部でバレッタでまとめ、シンプルなスーツを身に纏い
ヤマトコーポレーション本社の廊下を歩く女性

誰もがその美貌に一度は振り向き暫し見惚れる

彼女の名前はラクス・クライン
何を隠そう、ヤマトコーポレーションのライバル会社クラインカンパニーの一人娘だ

そんなラクスがライバル会社の廊下を歩いている理由、それは所謂産業スパイというものだった

ヤマトコーポレーションの秘書課採用の話を聞き付け
ミーア・キャンベルと言う別人の経歴を作り上げて面接に挑み見事採用されたのだ

(全く、クラインカンパニーならこんな偽称だらけの人間採用しませんわ
あ、それだけクライン家の技術が凄いって事ですわね!
ヤマト家なんて、私の代で潰してみせますわ!!)

高笑いしてしまいたい気持ちを抑えながら初出勤の職場へと向かう

様々な資格も有していたラクスは募集要項の中でも最難関の社長専属秘書の座を見事勝ち取った為
様々な情報を手に入れられると採用通知を見てガッツポーズを決めたものだ


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