4
□二人の事情
1ページ/14ページ
――ヤマトくん!ずっと好きだったんです!!
私と…その…付き合ってください…っ!
――………君、誰?
「――――っ!?」
僅か数年前の光景を夢に見て、瞳に涙を溜め声にならない悲鳴を上げ飛び起きる
汗で張り付くパジャマに不快感を覚えつつ
震える手で枕元に置いてある水差しを手に取り、グラスへと注ぎ仰ぐように飲み干す
幾分かマシになった動悸にゆっくりと息を整える
「また…夢に見てしまいましたわ……」
月明かりに照らされた室内にぽつりと小さな呟きが溶けた…
.