□オモイ
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ニュースで都会の電車で痴漢が捕まった、と報道していた

対策として、時間をずらしたり、女性専用車両に乗ると良い、なんて解説者が語っている

都会なら、確かに有効だろうけれど…
田舎ではそんな事不可能だ

電車の時間をずらせば、遅刻するか
入口の鍵を持つ人が来るのを待たなきゃいけない

女性専用車両なんて、田舎にすれば都市伝説の域だ

そんな田舎な地域ではどうやって対策を練ればいいんだろう、と朝食のトーストをかじりながら首を傾げた

お弁当を鞄にしまい玄関の扉を開けると
隣の扉も同時に開く

「ルナ、おはようございます」

「ラクス、おはよう」

二人は同じ高校から同じ会社へと就職した友達同士だった

一人暮らしに反対だったそれぞれの両親も、隣室がラクスとルナマリアなら、と了承を貰えた

二人並んで駅に向う

今朝見たニュースの話をすると、ルナマリアもやはり田舎での対策を報道するべきだと憤っていた

二人は毎日、同じ電車に乗って通勤するのだが
毎日、痴漢の被害にあっていた

車両を代えても意味が無いし、二人で居ても両方とも被害にあう

ネットで調べた痴漢に合いにくい乗車位置や服装を参考にしても変わらず被害にあう

本数が少ないせいで常に満員の電車じゃ犯人の顔なんて確認出来ないし
何より、知り合いだってたくさん乗っているのだ

痴漢された、なんて言える訳がない


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