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□ドライビングライフ
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“最近のキラ・ヤマトとシン・アスカは調子が悪いですねぇ”
“そうですね…最近ではコースアウトや下位争いなんて事もありますからね”
ニュースの内容にイライラしながら電源を切り、手近にあった雑誌を乱暴に床に叩き付ける
「くそっ……何処に行ったんだよ…!」
「荒れてるね…シン…」
「…キラ…あんただって人の事言えねーだろ」
笑いながら話すキラだが彼の手に握られた缶ジュースは無惨にも握り潰されて中身がポタポタと手を滴っている
ラクスとルナマリアが姿を消してから一気に不調になり
二人はなかなかトップ争いに食い込めなくなった
それでも容姿のおかげで人気は高く、スポンサーからもとやかく言われないがやはりプロとして結果を残せない現状に苛立っていた
そして何より、居なくなってからようやくキラはラクスを、シンはルナマリアを愛していた事に気付き
レースの後の行為は彼女は自分の物だと思いたくて行なっていたのだとようやく解った
レースの度に、他社に移ったのだろうかとレースクイーンを確認したり、スタンドの観客をモニターを食い入るように探したり
さらには休日も街に出て探し歩いていたが手掛かりは全く無かった
半ば引退も考え始めた時、有力な手掛かりを得た
ラクスとルナマリアらしき人物を見かけた、と言う目撃情報を受け直ぐに確認に向かう
「……いない…」
「ガセだったのかな…」
朝からずっと探しているが、もうすぐ日が暮れる
ガックリと肩を落とすキラとシン
諦めて帰ろうかと寄りかかっていた陸橋の手すりから身体を離す
「ルナ!早くしないとタイムセール終わっちゃいますわよ!」
「待ってラクス!レンが玩具落としちゃったの!」
パタパタと足音と共に賑やかな声が聞こえ慌てて視線を向ける
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