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□ラブコメで５題<完結>
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だから待ち合わせが好きなんです
「さて、と…ラクスー、先行ってるからね」
「はーい、また後で」
玄関でキラを見送るとパタパタと小走りで部屋に戻りイソイソと支度を始める
「あれ？母さん、今日は父さんとデートじゃないの？」
「パパもう出ちゃったですよ？」
「あら、カイト、リリおはようございますわ
はい、デートですわよ」
パジャマ姿の子供達に優しく微笑んで挨拶をすれば笑顔で挨拶を返される
街一番の不良だったキラは高校を卒業して整備士の資格が取れる専門学校に進み
卒業後バイトをしていたフラガのバイクショップに就職
ラクスは短大に進み卒業直前にキラと入籍をし地元企業の受付に就職したが
数年後に妊娠が発覚し育児に専念する為、と退社し今は専業主婦になっていた
「母さん、もしかして置いてかれたの!?」
「えぇ!?パパ酷いです!!」
長男のカイトと二つ年下の長女リリが居ないキラに憤慨する様子に驚いて目を瞬かせる
「はい？いえいえ、違いますわ…
私が先に行ってもらいましたの」
「え？なんで？あ、もしかして父さん仕事でお店寄ってから、とか？」
「ふふ…違いますわ…」
「うー…じゃあなんでパパとママ別々なの？」
「今日はデート、でしょう？
ですから待ち合わせをしているんですわ！」
えっへん、と胸を張るラクスはもう30歳を過ぎた二児の母には見えなかった…
「…同じ家なんだから一緒に行けばいいのに」
「なんでわざわざパパと待ち合わせするですか？」
「あら、デートと言えば待ち合わせでしょう？
あ、そろそろ行かなくては…
カイト、リリ、お留守番お願いしますわね？お昼前にはお爺ちゃんが来てくださいますからね」
呆れた表情の子供達に告げると慌ただしく出掛ける準備をして
シーゲルが来るまで二人で仲良くするように、と念を押して家を出る
「…お兄ちゃんはもうすぐ中学生ですしリリだってもう四年生ですのに…」
「母さんは心配性だから…ほら、用意してくれた朝ごはん食べよう」
「はーい」
兄に促されパタパタとスリッパを鳴らしながらダイニング向かった
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