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□ラブコメで5題<完結>
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(前のデートの時に買ったワンピース、褒めてくれるかしら?)
レモンイエローの花柄のワンピースは前回のデートの時にキラが選んでくれた物で着て見せるのは初めてだ
ウキウキしながら待ち合わせ場所に向かうとキラが居た
居るのは当然の事なのだが、荒れていた時代を知っている人は声をかけるのを躊躇う程に不機嫌な表情で逆ナンされていた
「ねぇー、一緒にお茶くらいいいじゃないですかぁ」
「………」
「行きましょうよ〜」
(凄いです…キラのあんなに不機嫌なお顔久しぶりに見ましたわ…)
嫉妬云々よりも、あそこまでキラを不機嫌にさせた女の子達に半ば感心してしまう
(は!いけません、声をかけなくてはせっかくのデートの時間が減っちゃいます)
腕時計を確認して慌てて近寄り遠慮がちに声をかける
「あの〜…」
「ん?ちょっと、なんですかぁ?今私達が話してるんですけどぉ」
「後から来て割り込まないでくださいませんかぁ?」
(うぅ…最近の若い子は怖いです…カイトとリリはこうならないように気をつけなくては…)
高いヒールのせいで見下ろされ微かにたじろぐが、先約はこっちなのだからと自分を励ます
「あの…夫に、何かご用でしょうか?」
「……え?夫…?」
「既婚者!?」
ガバッと勢いよく振り向きキラの薬指をよくよく確認すればしっかりと輝く指輪…
「ラクス…ッ!」
そしてつい先程まで不機嫌さ全開な仏頂面で無言だったキラだが
満面の笑みでラクスに抱き着く
「ラクス、それこないだのデートで選んだワンピース?
スッゴい似合ってる!何時も以上に可愛いよ!!」
「まぁ、ありがとうございますわ
キラが選んでくださったワンピースが可愛いんですわ」
「そんな事無い!ラクス自体が可愛いんだよ」
実はキラ、結婚してから今まで以上にラクスへのデレが増したのだ
付き合いたてのバカップルなノリに逆ナンをしていた女の子達は諦めそそくさと立ち去る
(やっぱり、逆ナンされた後に私を見た時の満面の笑みは堪りませんわね…)
キラの腕の中でそんな事を思うラクスだった
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