□蝶の休憩所
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ラクスの店に通い詰めて半年

すっかり常連客とも顔見知りになり
今や毎日通っている事からマリューさんとも仲良くなり、一緒に来たムウさんに怒られる程になっていた

「うー、明日は定休日かぁ…」

「そうですわね、今週も頑張りましたわ〜」

「…毎週の事とはいえ、2日もラクスに会えないなんて寂しいよ…」

きっと、『私もですわ』と営業スマイルで返されるんだろうと思いつつ呟けば
目を瞬かせキョロキョロと辺りを確認するラクス

「…こほん……私、明日、お洋服を買いに行く予定なんですの…」

「?そっか、いいのが見付かるといいね」

「えぇ…それで、今、先着一名様だけ
荷物持ちをしてくださる男性を探してるんです」

「え…そ、それって…」

「けっこうな量を買おうかな〜とは思ってるんで大変な仕事かも、ですわね…」

「荷物持ちくらい喜んで!」

「ふふ…では、明日の朝10時30分に駅前集合で
車で迎えに行きますから、車では来ないでくださいね」

「うぇ!?車くらい僕が出すよ?」

「あら、休日はドライブが趣味と前に話しましたでしょう?
私に運転させてくださいな?」

ニッコリと微笑むラクスに、コクリと頷き
その日は帰ると直ぐ様翌日の準備と寝坊しないようにと大量の目覚まし時計をセットして眠りに付いた


翌朝

約束よりも15分早く駅に到着

待ち合わせの駅は徒歩10分だが、知らず早足になり
何時もより到着時間が短縮されていた

まだ時間があるから、と軽く身だしなみを整え、ぼんやりと人を眺める

既に遅刻で諦めてゆっくり歩く学生や、携帯とにらめっこしながら足早に歩くサラリーマン
同じように、誰かと待ち合わせなのか携帯と改札方面を交互に見る女の子

僕も大切な人と待ち合わせなんだよ〜とか思いながら微笑ましく眺めていると肩を叩かれる


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