□蝶の休憩所
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「おはようございます、キラさん」

「あ、おはよう!ラク、ス…」

振り向いた先には普段お店で見るのとは全然雰囲気の違うラクス

綺麗にセットされている髪は今は下ろされ、ふわふわと風に揺れている
露出の多いドレスとは違い、今日はリボンの付いたシャツにカーディガン、プリーツの膝丈スカートにローヒールのロングブーツとフェミニンな服装は初めて見る姿だった

緊張を隠しながらラクスの案内で駐車場に移動し車に乗り込む

後部座席に巨大なクマのぬいぐるみがシートベルトをして座っていてつい吹き出してしまった

「可愛いでしょう?ゲーセンで1時間粘ってしまいましたの」

「ゲーセンで!?あの大きさよく取れたね」

「一目惚れして、諦めきれなくて…
その日買う予定だったDVDを諦めてこの子に注ぎ込んじゃいました」

えへへ、と笑うラクスに今のは営業スマイルじゃないな、と頬が緩む

ラクスの運転で馴染みのショッピングモールに向かい、駐車場に停めると早速買い物開始

女の子の買い物はあちらこちらと様々な店舗を見るから、なかなかに大変だったりする

3ヶ月に一度の大量買いの日だと事前に言っていただけあってどんどん服を選んでいくラクス

中にはお店用の衣装もあって、なんと僕の好みを採用してくれた

少し休憩しようとコーヒーショップに入り、二人でコーヒーを飲みながら一息付く

次は彼処の店舗に行きたい、や
あのお店のセール期間だからそっちにも回りたい、なんて休憩中も次のお店の話

女の子の買い物って本当にパワフルだな…と感心してしまう

そしてコーヒーを飲み干すと別のショッピングセンターに移動する、と車に戻る

移動の途中でラクスのお気に入りのパスタ屋さんで昼食

買い物の日は何時も寄るんだ、と笑って話す彼女
休日だからか何時ものような営業スマイルは無く、少し幼い印象を与えるふにゃふにゃした笑みで笑う

気が抜けているのか何時もより饒舌でプライベートの事もポンポンと話してくれる

素のラクスが可愛くて、お店でも何度か本気で告白したが改めて本当に彼女だったらいいのに、と思いながら付き合って歩く

自分以外にも見せているのか不安になったけれど、ラクスは店外で客に会わない主義らしく
今回の事もお店では言わないようにと釘を刺されたからきっと他の客は知らない筈、と小さく安堵の息を吐く
その後もラクスの買い物に付き合い、夕飯も一緒に食べ、遅くなった頃にようやく帰路に着く


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