□イノセント
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数ヶ月後、ラクスは出産を果たし、牢の中には赤ちゃん専用のフカフカなベビーベッドが用意され子供は何不自由無く過ごせた

そんなある日、キラではない別の看守が現れ釈放だと告げられる

なんでも、国民から反乱が起き、独裁者は権力の座から引きずり下ろされ
今まで無実の罪で収監された囚人の解放が決まったらしい

晴れて自由の身だ、とウキウキしながら数年ぶりの外の世界を楽しみにしながら赤ん坊を抱え外へと続く扉を潜る

「ラクス!」

「っ!?」

突然抱き締められ外の景色を見る間もなく目の前が軍服のドアップになる

「良かった…ようやく君を牢から出せて…
これからはあんな暗い牢じゃなく、明るい日の下で会えるんだね!」

「…看守、さん…?」

顔を上げキラだと気付き不思議そうに首を傾げる
彼は何を言っているのか…

「ヤマト准将!お疲れさまです!!」

「ん、お疲れさま
妻と子供は僕が連れて帰る
ラクスの入っていた牢の片付けも僕がやるから、後の民は無事に送り届けるように」

「はっ!畏まりました!」

看守がまた収容所へと戻るのを呆然と見送る

「妻と子供…?」

「そう、君は僕の奥さんで、この子は二人の子供
さ、家に帰ろうね?」

「は、離してください!
私にはお父様の待つ家が…」

「君の父上は結婚を喜んでくれたよ?
早く孫の顔が見たいって僕の家で待ってる」

「そんな…」

キラの言葉に目の前が真っ暗になり、フラフラと促されるままに歩く


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