□希望
3ページ/9ページ


「何を探してるの?キャンベルさん」

「っ!?しゃ、社長…おはようございますわ
えっと…今日の会議に使う資料を…」

「ふぅん…でも、今日の会議には新商品の資料は要らないよね?」

「そ、それは…」

キラの指摘にどうしよう、と目線を泳がせる

「それで?ゴミ箱まで漁って何か成果はあった?
ラクス・クラインさん?」

「っ!!…い、何時から…?」

本名を呼ばれさっと青ざめ惚ける余裕もなく呟いてしまった自分に内心舌を打つ

「君が採用試験受けに来たときから
面白そうだから僕の専属に採用したんだよ」

「っ……バレてないと思ってた私を心で笑ってたって事ですか…
わかりました!」

「何帰ろうとしてんのさ?」

「離しなさい!もうラクス・クラインとバレたなら居る意味がありません!
ヤマトコーポレーションなんて二度と来たくありませんので退職願いは後で郵送します!」

憤慨した様子でキラに背を向け一歩を踏み出そうとするも
腕を掴まれそのまま反転し、気付けば唇を塞がれる

「む、むぐぐぅ!」

ドンドンとキラの胸を叩くも遠慮なく舌が差し込まれ口内で暴れる感触にぞわりと鳥肌が立つ

何か小さな粒が押し込まれそのままこくりと飲み込んでしまう

漸く唇が離され必死に息を吸い込み、呼吸を整えながら涙目でキッと睨み付ける

「何をするんですか!?」

「何って…キスに決まってんじゃん
と言うか、正体バレて辞めます、はいどうぞなんて言うと思ってたの?」

キラの言う事も最もでぐっと息を飲み言葉に詰まる

「…産業スパイした事を盾にしてクラインカンパニー…
果てはクライン家を脅迫、失墜させるつもりですか…?」

「まさか。クライン家はそう言う事するの?野蛮だなぁ」

クスクスと笑うキラにますます眉を寄せ怒りを露にするがふと体の異変に気付く

(?なん、ですの…?体が、熱い…
こんな時に体調不良…!?
いえ、毎朝メディカルチェックしてますし…)

突然の体の異変に困惑するラクスを楽しそうに眺め、ツゥ…と首筋を指でなぞる

「あぁん…っ!…え…?」

自分の口から出た甘い声に信じられないといった表情でますます混乱するラクス


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ