□ホスピタル・パニック2
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「はぁ…」

「ラクス、ごめん
ちょっと出掛けてくるから、カルテの整理よろしく
時間来たら先帰っちゃって構わないから
何かあったら電話して」

「あ、はい
わかりましたわ」

午後の休診日でまた行為に及ぶのかと考えていたら上着を羽織り、鞄と車の鍵を持ち慌ただしく出て行くキラ

たまにあるから特に気にする事もなく送り出して仕事に取り掛かる

そして最後に休憩室の掃除をして帰ろうかと休憩室に入り小さく息を飲む

自分の鞄が倒れている

きっと、キラが荷物を取るときにでも当たったのだろう…

そんな事より問題は、鞄から出ている離婚届とあの呼び出しの手紙と写真

キラに見られないようにと持ち歩いていたから鞄が倒れた弾みに出てしまったのだろう

キラはこれを見たのだろうか…

解らないけれど、とにかく鞄に押し込み急いで掃除をして、子供を連れて帰宅した

そして夜遅くにキラが帰宅し
もう悩んでいても仕方ない、明日なのだからと離婚届を手にキラに話しかけた

「き、キラ!お願いがあります…」

「…離婚はしないし、する必要も無い。
それ以外のお願いなら聞くよ?」

「…え?えと…」

する必要がない、とはどういう事かと首を傾げると何やら封筒を渡される

「君を脅して来た子に、金輪際関わらない誓約書を書かせた
だから、離婚をしなくても君は犯されないし映像も消去させたから安心していい」

「え…な、なんで…」

慌てて中を取り出すと震えた字で書かれた私や子供に関わらないという誓約書
ちゃんと拇印まで捺されている


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