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□弾丸飛び交うこの世界
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「君が帰って居なくなったら、僕は君と関わった人間を殺しちゃいそうだよ
いや、まずは帰らないように君を殺しちゃうかもね…
流石に君を殺したら一つしかない心臓が壊れちゃうからそんな事したくないからさ、帰らないでよね?」
「…キラぐらいですわ、殺したくないから帰るな、なんて脅すの」
「えぇ!?僕脅してなんかないんだけどなぁ?」
「はぁ…まったく…
私だって死にたくはありませんから…でも、私が帰りたくなくても勝手に元の世界に帰されるかもしれませんわよ?」
そう、次の瞬間にキラはいなくて、元の世界に戻ってる事だってあるかもしれないのだ…
絶対に帰らないなんて言えない
「ん〜…それは困ったなぁ…
僕、ラクスを帰る場所にしてるからさ、勝手にどっか行ったり居なくなったら帰れなくなっちゃうんだけどなぁ」
「キラが帰るのは私じゃなくてハートの城でしょう…」
「え〜?嫌だよ、だって陛下って直ぐに首を跳ねろって僕の部下減らすし、シンくんだって死ねっていいながら遊んで欲しくてじゃれてくるから大変なんだよね」
「あなたが怒らすからでしょう…
っと…時間帯が昼になったから仕事に行かなきゃ…」
夕焼け色の空から晴れやかな青空に変わり急いでキラから離れ…られなくて、逆に抱き上げられてしまった
「せっかく会えたのに、もう行っちゃうなんてラクスは酷いなぁ
それに僕、君を旅に誘いに来たんだよ?」
「い、行きませんわよ!?
私はこれから仕事があるんですから!!」
「そんなの顔無しにやらせなよ
さ、いい天気だ!絶好のサバイバル日和だね」
「ちょ…なんで窓の方に行くんですか!?や、いやあぁぁぁ!!」
あはは〜と爽やかな笑い声をあげながら城の三階にある客室兼自室のベランダからキラが飛び降りる
私をしっかりと抱えたまま…(いや、この状況で離されても非常に困るけれど…)
「さあて、行こうかラクス!」
笑いながら私を抱えたまま歩き出すキラ
いつの間にか頭の中心にあった元の世界の事はキラのせいで隅に追いやられてしまっていた…
end