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□犬属性な後輩で10題(後輩目線)<完結>
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大好きな先輩を紹介します

早朝、鼻歌混じりに自転車のペダルを漕ぐ少年…

彼の名前はキラ・ヤマト

夏休みを間近に控えた高校一年生だ

同じ制服を着た人達と擦れ違う度に微かに怪訝な顔をされ、顔を見て「あぁ」と納得したように皆歩みを進める

そりゃ、奇妙に見えるだろう

毎朝、学校まで十分徒歩圏内の自分が自転車に跨がり、学校とは反対へと進むのだから

何時ものように、見慣れた家を見つけ、微笑んで前に自転車を停める

そろそろかな、と腕時計を確認すると頭上で窓の開く音

「ラクス先輩!おはようございます!」

「キラくん、おはようございます
直ぐに支度しますから、リビングで先に朝食食べててくださいな?」

パジャマ姿のまま、微笑む少女は学校の先輩のラクス・クラインさん
先週、晴れて恋人になれた存在だ

毎朝、彼女に会うために家の場所を内緒にして、迎えに来ていた

何時ものように自転車を敷地内に停めて、家に上がらせてもらうと
これまた何時ものように、キラの分の朝食が用意されている

付き合う前からの事だからラクスの両親も何も不思議に思っていない

食卓に座り、ラクスの父と談笑しつつ、ラクスの母の手料理に舌鼓を打っていると
制服に着替えたラクスが階下に降りてきて、朝食を食べ一緒に登校する

付き合う前はラクスは意地でも徒歩で登校していたが、
恋人と言う関係になってからは遠慮がちではあるが後ろに座ってくれるようになった

落ちないようにと腰に抱き着いて、背中に頬を寄せて話すラクスに内心どぎまぎしながらペダルを漕ぐ

彼女は出会いは入学式と言ってるけれど…本当は違うんだけど…
まぁ、その話は別の機会に…

キラはこのまま学校をサボって二人きりで過ごしたい衝動を抑えながら学校に向かうのだった


end
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