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□犬属性な後輩で10題(後輩目線)<完結>
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昼休みはいつも一つ下の階へ


「起立、礼
ありがとうございましたー」

午前の授業が終わって、待ちに待った昼休み

購買や学食へ行く為に皆財布を片手に教室を飛び出して行く

その中に、1人
何も持たずに購買や学食に近い階段とは逆に駆けて行く存在

一年の教室は校舎の最上階の三階
一つ下の二階に二年生、一階は職員室や保健室で三年生は新校舎
購買、学食は渡り廊下を通り理科室等の特別校舎を抜けた先にある
一番教室の遠い一年生は寄り道なんてしていたらあっという間に購買は完売、学食も人気メニューは品切れとなってしまうのだ

そんな事も気にせず階段を跳ばしながら駆け下り
目的の教室へ…

「ラクス先輩!」

「キラくん、早いですわね」

窓際の席に座り教科書を閉まっていたラクスの姿に頬を緩ませる少年、キラ・ヤマト

目当ての二年生のラクス・クラインは
つい最近、ようやく思いが通じあった大切な彼女だ

「先輩、今日はどうしますか?」

「そうですわね…天気も良いですし、中庭か屋上はどうですか?」

チラリと窓の外を確認してニッコリと微笑んで告げるラクスに頷いて荷物を持つ

ラクスと付き合い始めた頃は毎日コンビニのパンだったが
見兼ねたラクスが最近はお弁当をキラの分も用意してくれている

手作りとはいえ朝が苦手なラクスは前日に下ごしらえしておいた物を
朝、マリアに頼んでお弁当に詰めて貰っているのだが…

屋上に出ると陽射しが強いせいか人は疎らで、フェンス越しに見下ろせば木陰の多い中庭にはたくさんの人影が見えた

貯水タンクの影を陣取り、ラクスのカバンからシートを取り出して広げる

並んで座り、早速お弁当を取り出すと毎日見る色鮮やかなおかず

見た目だけで無く味も絶品と知っているだけについ喉が鳴る

「ラクス先輩、いただきます!」

「はい、召し上がれ」

両手を合わせて挨拶をしてミニハンバーグを口に含みゆっくりと味わう

何時ものように絶妙な味加減に感動しながら食べ進め、あっという間にお弁当は空になってしまう

その後、ギリギリまで二人で話をして、ラクスを教室まで送って自分も教室へと戻る

茶化してくる友人達を軽くあしらいつつ席に座り
放課後を楽しみにしながら午後の授業を受けるキラだった


end
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