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□[声優さんに恋(5)]<完結>
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ナレーションに含まれたメッセージ


〜♪

「それでね、ヤマト様がラクスちゃんの髪の色は桜みたいだねって…
あら?電話…」

鞄の中で鳴り響く携帯に目を瞬かせ、何処にしまっただろう?と鞄の中を漁る

「ラクス、学校では音消しとかないと取り上げられるわよ?」

「はい…え!?や、ヤマト様!?」

購買の自販機で買ってきた紙パックを啜りながら呆れたように言うフレイに頷きつつ
ようやく発見した携帯を取り出すと画面に表示されたキラの名前に思わず立ち上がってしまう

慌てて通話ボタンを押すと上擦った声になってしまいそうになる自分に叱咤しながら口を開く

「も、もしもし…」

『あ、ラクスちゃん?いきなりごめんね?
まだ学校だよね、用件だけですませるね
今日、この間ナレーションの仕事したのが放送だから…良ければ見て欲しいなぁって思って』

「え!?な、ナレーション…?
公式サイトには載ってません、わよね?」

『あぁ、うん、本来の担当してた人が急病で急遽の代打だったからね
だから、ラクスちゃん知らないかもって思って電話したんだ』

「あ、ありがとうございます!
絶対に拝聴しますっ!!」

『ふふ、ありがとう
それじゃあ、また後で』

「はい…」

通話の終わった携帯を握りしめたまま余韻に浸るラクス


夜、教えてもらった番組を録画しながら真剣にナレーションに聞き入る

《…青空に広がる桜色
淡い色が綿菓子のようで可愛らしいですね…》

「…っ!!」

まるで自分の髪を褒められたようで真っ赤になってしまう

風景を褒めただけなのに、以前、自分の髪が桜みたいだと言われていただけにドキドキしてしまった

自慢の桜色の髪を今まで以上に大好きになった瞬間だった

end
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