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□[声優さんに恋(5)]<完結>
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あなたの声に惚れてるんです


ウキウキしながら、アニメショップに向うラクス

今日は大好きな人気声優フリーダム担当のキャラソン発売日だった

正しくは明日なのだが、予約特典でもある前日発売
所謂フラゲのためにホームルーム終了とほぼ同時に学校を飛び出して来たのだ

「ありがとうございました〜」

店員の声をバックにホクホクと袋を抱き締める

「ん〜…最高の1日ですわ!」

店を出てバッと両手を上げれば誰かにぶつかりバランスを崩してしまい後ろから肩を支えられる

「ラクスちゃん…相変わらずだね
危ないよ?」

「ふぇ?ヤマト様!?
すみませんでした…」

またぶつかってしまった、と肩を落とし謝るラクスの頭を撫でて
仕事まで時間があるから話さないかと誘われる

今日の予定であるCDはゲットしたのだから、勿論!と勢い良く頷き並んで歩き出す

最近ではキラに名前を呼ばれても初対面みたいに鼻血は出ないが
電話では緊張するし、相変わらず身悶えてしまう

(うぅ…やっぱりヤマト様に名前呼ばれると緊張しちゃいます…)

「ところで…ラクスちゃんって彼氏いるの?」

「はぇ!?か、彼氏なんて大層なモノいませんっ!!」

ぶんぶんと首を振り否定すれば
良かった、と微笑まれる

「君の彼氏になる条件って…あるの?」

「えと…
フリーダム様の声を持つ方が、いい、です…」

「え?」

きょとんと、目を瞬かせラクスをまじまじと見つめるキラに
どんどん羞恥に赤くなり俯いてしまう

「つ、つまり!
あなたの声にベタ惚れなんです!
最初は声で…今は、ヤマト様自身を…
お慕いしてしまったわけでして…」

耳まで赤くなり、徐々に語尾が小さくなってしまう

それでも、ラクスの一世一代の告白はきちんとキラに届いた

「えっと…先に言われちゃうとは思わなかったな…」

「…え?」

「つまり、僕も君に…
ラクスちゃんにベタ惚れなんですよ」

ふ、と笑うキラに信じられない、と
開いた口が塞がらない

言葉も浮かばないラクスの腕を引いてスッポリと包むように抱き締める

「や、やや…ヤマト様!?」

「…キラって呼んで欲しいな?
これからは恋人なんだからさ
ね?ラクス…」

「っ!!
………」

ふわりと、耳元で甘く囁かれればラクスは限界を迎え
クラリと意識が遠退く

遠くでキラが鼻血!?と慌てる声を聞きながら
幸せな気分でそのまま、意識を手放すラクスだった


「うーん…まだまだ手は出せない、かな…」

木陰で気を失ったラクスを介抱しながらため息混じりに呟くキラが居た



end
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