song

□ワールドイズマイン
2ページ/3ページ


「ラクスはわがままが多いのが欠点だね」

「欠点?かわいいの間違いではありません?」

ケーキを頬張りながら、コーヒーを啜るキラをじっと見る
文句は許しませんわ


「……あのね…キラ?
私の話ちゃんと聞いてます?」

「え?あ、ごめん…」

「ちょっとぉ…」

話しているのにキラは何処かを見ていて、聞いていません、って顔してる

私はおひめさまだからやっぱり白いおうまさんでお迎えに来て欲しいな
なんて、思ってしまいますの。可笑しいかしら?
でも、おひめさまのお迎えにはやっぱり白馬に乗ったおうじさまだから当然の事ですわよね?

わかったらかしずいて私の手を取って「おひめさま」って恭しく言ってくださいな?

そう言えば、困ったように笑うだけで何も言わないキラ

『べつに私はわがままなんて言ってないんだから
でもね、キラなら全部叶えてくれなくても
少しくらい叱ってくれたっていいんですからね?』

なんて、面と向かってなんて言えない
でも伝わったのか、ポンポンって頭を撫でてくれる

私が世界で一番のおひめさまなら
キラは世界で私だけのおうじさまなんですの

(あぁもう、気が付いてくださいな?
ほらほら、またおててが空いてますわよ!)

ちょっと無口で少しだけ無愛想な私のおうじさまは
そのまま、パンフレットを両手に歩いて行ってしまう

(もう、どうしてですの!
気が付いてください、早く)

キラと繋ぎたくて空けてある右手が可哀想、なんて
右隣のキラをきっと睨み付ける

パンフレットを見るキラはそれにも気付いてくれない

(ぜったいキラはわかってない!
わかってないですわ…)

まだまだ空いたままの自分の右手を見てバレないように小さくため息を吐く


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ