□あなたの声に恋してる
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晴れて恋人になれた二人

付き合い始めた途端、グイグイ迫るキラにもようやくラクスが慣れた頃…

「はぁ…」

「どうしたんだ?少年
デートの待ち合わせでする顔じゃないぞ?」

馴染みの喫茶店のカウンターで深いため息を吐くとマスターのバルトフェルドが不思議そうに問いかける

それに、苦笑いを返し味の濃い、最愛の彼女は苦手だと溢していたブラックコーヒーを一口啜る

キラは今付き合って数週間、まだまだ蜜月な彼女との待ち合わせ時間が来るのを待っていた

しかし今日のキラはオフ。
本来ならもっと早い時間から会うつもりだった

前回のデートの帰り道、ラクスを家まで送りながら
ラクスの学校まで迎えに行く、と提案したのだが
それにたいして彼女は一瞬逡巡して
それから困ったように、だけどしっかりと決意を秘めた瞳で告げたのだ

『ごめんなさい、キラ様…その日はフリーダム様演じるキャラが活躍する日なのです
リアルタイムで見て、その後録画でもう一度見ますので、待ち合わせは7時半にしていただけませんか?』

あまりの内容に一瞬何を言っているのかわからなかった

呆然としてる間にラクスの家に到着し
おやすみなさい、と頭を下げて入って行ってしまった

「フリーダム様演じるキャラが活躍する日なのです…って…
デートの時間減らす理由が酷いと思いませんか!?」

バルトフェルドに愚痴ると苦笑を返され
アイシャからは落ち着いテ?と甘いケーキを出される

「しかし…フリーダムはお前だろう?
お嬢ちゃんもスゴい子だな…」

そう、フリーダムとは超人気覆面声優なのだが
正体は僕、キラ・ヤマトなのだ

ラクスとは声がきっかけで知り合い、
羞恥に真っ赤になりながらも細やかにアピールしてくる彼女に惹かれ
自分からも迫りだし、晴れて恋人になれた

いい雰囲気になっても肝心なところで耐えきれなかったラクスが鼻血を出したり気を失うと言うこともあり
キスより先にはなかなか進めていないが順調に交際は進んでいる

しかし、付き合ってみたらキラの方が彼女にハマってしまいのめり込んでしまった
そのお陰で恋愛が絡む作品での評価は急上昇したが…

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