song
□THE OVER
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地元を離れて一人暮らす家に帰る
全てに諦めて生きていく毎日は、何をしても悲しいだけで幸福が見付からなかった
「灯り…電気、忘れたのかな…」
休日でスーパーに買い出しに出るだけだからと油断したのか
自宅の窓から灯りが漏れていて眉を寄せ扉を開く
「キラ!えへへ、遊びに来ちゃいました!!」
ニパッと微笑むのはラクス
僕から少し遅れて同じ市内に越してきたラクスは度々合鍵を使って訪ねて来ていた
誰よりも愛されたい、と願うのに一人になろうとしていた事も大切なラクスの為だったんだと急に理解する
「っ…ラクス!僕は…ラクスが…ラクスの、事が…」
伝えたい気持ちは溢れてくるのに言葉にすればする程 違って行くような気がする
それがもどかしくて、何度も言葉が、詰まる
世界で一番幸せ願って、僕のせいで一番哀しませてそうで…
自分に自信が無かった
迷惑をかけないようにできるだけ一人で生きて来た
でも君だけが離せない
なぜかラクスだけが離せない
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