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□青の中の赤3
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「…キラ様、私は大丈夫ですから…」
「大丈夫なんかじゃない…ラクスだって、泣いてるだろ…っ」
「え…っ!!」
自室に戻りラクスを離さずに居ると優しく背中を撫でられるがそのラクスもポロポロと涙を溢していた
「ごめん…君を、守れなくて…」
「違います…違うんです…
キラ様はこんなに苦しんでるのに…どうしてわかってくれないのかって…
キラ様を、傷付ける人から守れなくて、ごめんなさい…」
「ラクス…」
二人して、ごめん、ありがとうと繰り返しながら涙が枯れるまで泣いた
夜、皆が寝静まった頃に体を起こす
隣でほんのりと目を張らしたラクスが小さく寝息をたてていて、申し訳ないと思いながら肩を揺する
「ラクス…起きて…」
「ん…きら、さま…?」
ぼんやりしつつ目を擦りながら起き上がるラクスに着替えるように告げる
寝間着代わりにと着ていた僕の支給された予備のシャツを脱ぎ、着なれたワンピースにラクスが着替える間に
自分も取り合えず軍服のジャケットを羽織る
「ラクス、帰ろう…」
「キラ様…」
「…君を、ここに居させたくない…」
「…はい…」
しっかりと手を握り返してくれるラクスに微笑んで、格納庫へと向かう
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