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□好みは…
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フワリと、ラクスの柔らかな髪を撫でる
キラの至福の瞬間と言っても過言ではなかった
さらさらと絹糸のようなラクスの髪が指を摺り抜けていくのをまた追い掛ける
暫く繰り返せば読んでいた本を閉じて困ったように笑いながらクルリと振り向いて向かい合う
「もう…なにかご用ですか?」
「ううん、特に何も…
君を構うのに理由が必要?」
にっこりと微笑んで問いかければ、目を瞬かせて
ポッと頬を赤らめ、胸に額を押し付けてくる
「ラクスは甘えん坊だね?」
「…恥ずかしいだけです…
キラはよく平気ですわよね…」
「そう?ラクスに好きだって伝えるのに恥ずかしいなんて思わないからね…」
そう告げれば耳まで赤くなって、隠すようにギュッと抱き着く腕に力が籠る
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