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□青の中の赤7
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「えっとですね、恋人に服をプレゼントしたくて…と言うか、お互いにプレゼントした服でデートをとねだられまして…
どれがいいですかね?」

「そうですねぇ…彼女さんはどのような方なんですか?」

「ラクスです」

「…え?」

「ラクス・クラインです
あ、ほら、あのポスターの」

デビュー間もないうちに、あっという間にプラントの歌姫とまで言われる程の存在になったラクス
歌手業以外にもモデルのような事もしていると言っていた
この店もラクスに新商品のモデルを依頼したらしく特大ポスターが貼られていた

「えーっと…お客さま…?」

「…?あ!?ストーカーとか、妄想じゃないですよ!?
あの、遺伝子的なあれで許嫁で…」

ひくりと口許の引き攣る店員にハッとなり慌てて首を振りテンパった頭で必死に告げる

「えーっと…あ!こ、これ!証拠!」

「っ!?こ、これは…」

疑わし気な視線の店員に先日のデートでラクスにねだられ撮ったプリクラを見せる
ラクスは最初から許嫁の事や恋人の僕のことを語っているため、ファンの間ではザフトのアカデミーに婚約者がいることは有名になっている為、納得してくれたらしい

「失礼しました!
ラクス様へのプレゼントでしたら…こちらの若草色のワンピースはラクス様ご自身が撮影の際にご購入なさった、と伺っております」

「あ、そうなんですか?じゃあこっちのワンピースを…それと、これに似合いそうな小物を見たいんですけど…」

「直ぐにご用意します!」

店長〜!!と叫びながら慌ただしく裏に入って行く店員に苦笑しつつ、選んだワンピースを眺める


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