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□恋に頑張る二人
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寝起きで頭が上手く動かない
どのくらい寝ていたのだろう?

幾分熱は下がって楽にはなったものの、気分は全く晴れない
本当なら今頃キラ君と駅前の巨大ツリーを見る筈だったのに…

「……デート…したかったな…」

「まだ言ってるの?」

ポツリと溢れた言葉に返事が返され目を見開く

「ん、大分顔色良くなったね」

「き、キラ君…なんで…?」

「朝から君の看病に来てたんだよ?」

気付いて無かったの?と笑う彼に、あれは恋い焦がれた末の幻では無かったのか…と驚く

「キラ君が来てくれてるのに…私、こんな格好…恥ずかしいです…」

熱を出すと泣きやすい体質だからきっと顔はぐちゃぐちゃだし、髪だって梳かしてない

最悪だ…キラ君には可愛い自分だけを見ていて欲しいのに…

またじんわりと涙が滲んで慌てて布団を被り顔を隠す

「ラクスならどんな姿でも可愛いよ?
今も…凄く可愛い…」

布団からはみ出ていた頭を撫でてくれて、羞恥心が吹き飛ぶくらい心が暖かくなった

「ね、顔見せて?」

「……恥ずかしいです…」

今度は赤くなった顔を見られたくなくて、布団に潜り込んで小さく答える

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