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□不良な彼とクリスマス
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「え…明日、会えないん、ですの…?」

「うん、バイト
他の人が休んじゃってるからね」

「でも、でも…お休み…取ってくれるって…」

ずっと前から、隣県のクリスマスイルミネーションを見に連れて行ってくれる約束だったのに、と不満が募る

「ラクス…別にクリスマスぐらい、一緒じゃなくてもいいだろ…」

「っ!!…は、い…」

素っ気なく返された言葉に普段のようなキラはツンデレなんだから、と笑って許せる程の心の余裕は今のラクスには無かった

教室で、クリスマスの予定が無くなったのだと周知の事実になってしまったラクス
学園の姫と呼ばれる程人気な為、今がチャンスとばかりに大量の誘いが舞い込んだが、キラ以外とクリスマスを過ごす気にはなれなかった


「はぁ…」

重い足取りでスーパーへの道を歩く

どこもかしこもクリスマスムード一色で賑やかな街を忌々しげに睨む

キラからデートのドタキャンをされる前の自分だったら、ウキウキして心が踊ったイルミネーションも、クリスマスソングも
今の沈みきった気分ではどれも魅力なんて感じなかった

(クリスマスに会えない恋人なんてたくさんいるのは解ってますけど…でも…)

「ドタキャンしなくてもいいじゃないですか!」

つい、声に出してしまい周りの視線にハッとなるもイライラした気持ちの方が強くて恥ずかしい、なんて思う余裕が無かった

「…さっさと帰りましょう…」

これ以上クリスマスムード一色の町に耐えられないとスーパーに入り
入り口側のクリスマスパーティー用の特設コーナーを軽く睨み付けてレトルトのコーナーへと向かう

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