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□不良な彼とお正月
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そして、ラクスが捕らわれた直ぐ近くの公園に着くと何人もの不良が武器を手に待っていた

「よく逃げずに来たな…
ま、仲間の前じゃ一番のプライドで逃げられねぇか?」

「あー、あのさ、僕一番とか心底どうでもいいんだよね
ラクスにリンゴあめ買ってやる約束だから、さっさとしてくんない?」

面倒くさそうに話すキラにバカにされたと思い一斉に飛び掛かる

しかし、キラと共にケンカをしてきたアスラン達も手練れ
更にはシンやレイ達後輩もキラに憧れて付いて回っているのだから、ケンカだって慣れている

不意討ちとばかりに殴りかかって来た相手を意図も容易く撃退してしまう

「…これさ、僕の前にシン達を倒さなきゃ意味なくない?」

「う、うるせーよ!
キラ・ヤマトを倒したら一番だろうが!」

やけくそ気味にキラに向かって鉄パイプを振りかぶる相手にキラは躊躇いなく顔面に拳を沈める

全力で地面に叩き付け、そのまま気を失った相手の服からラクスの携帯を探しだし辺りを見回す

全員で公園内を探すと東屋のベンチに寝かされているラクスを見つける
キラが軽く確認をして怪我も何もないようだと分かると背負ってその場から離れる

「ん、んぅ…」

「気が付いた?」

友人達と別れ、ラクスを背負ったまま自宅を目指している途中でラクスが目を覚ます

「あれ…私…」

「なんか、一番になるとか言ってる奴に捕まったんだよ
だから、いつも一人になるなって言ってるだろ?」

キラに叱られ、皆に迷惑かけてしまった、としゅんとなり謝る

「…まぁ、ラクスの事は絶対に助けるけど…
出来るだけ、側で守られてなよ」

「キラ…はい
助けてくれて、ありがとうございますわ」

「別に…ラクスに僕以外が触るのが気に入らなかっただけだし
だから、お礼とか別に…いらないし…」

素っ気ないキラだが、耳が赤いのはおんぶされているラクスからははっきり見えて、頬が緩む

ぎゅっと腕に力を込めて抱き付けばますます赤くなる耳も、高くなる体温も愛しかった

「…キラ、今年も大好きですわ!」

「…知ってる
リンゴあめ買ってあるからさっさと家帰って食べるよ」


end
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