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□青の中の赤8
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1月4日、キラはクライン邸を訪ねていた

三が日は議員でもあるシーゲルへの挨拶を兼ねて、国民的アイドルとなったラクスに一目見たいと来客が多く
キラは来客が落ち着く4日に挨拶に向かうと告げ家でのんびりと、たまにアカデミーの友人達と騒いだりして過ごしたのだ

ラクスは年越しを一緒に迎えたい、未来の夫を自慢したいとねだったのだが
いくらアカデミーで首席、赤服更には将来的には白服や、議員転職も夢じゃないと言われ認められてはいても
世間一般には平凡な家庭の少年が対の遺伝子だから、ラクスと婚約できただけだと嫉妬の対象なのだ

あわよくばを狙う者は多いのだから、ノコノコと顔を出して危険度を上げる意味がない

そう言って丁重にお断りをして、代わりに一晩お泊まりをしてラクスのワガママを一日中聞いて我慢してもらった

「…きっと三が日で疲れてていっぱい甘えられるんだろうな…」

暫く会えなかったり、シーゲルの客の接待で疲れた後に会うとべったりと抱き着いて離れないし
移動まで抱っこで連れて歩かねばならない
新年早々、ラクスを甘やかして怒られるかもな、とメイドや歌の先生が渋い顔をするのを思い浮かべる

チャイムを鳴らせばラクスの直ぐに開けるという短い言葉と共に門が開かれ、広い庭を歩いて建物に向かう

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