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□冷静なあの子との出会い
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「だからさぁ、別れて欲しいわけよ
わかる?わっかんないかなぁ」
「もぉ、そんな言い方可哀想じゃーん」
クスクスと可笑しそうに笑う二人の男女と向かい合っている
目の前の紅茶から湯気が無くなってどれくらいだろう?
何故か周りの客も聞き耳を立てているし…
あぁ、本当に困った…
「なぁ、聞いてんの?俺は新しい彼女が出来たの
だから、もうお前はいらないんだよ」
「やだぁ、はっきり言っちゃ可哀想ー」
「はぁ…えっと…あなた方がお付き合いしてるのはわかりましたわ…
それで、1つ質問を宜しいでしょうか?」
ようやく口を開いたせいか、店中の人が私の言葉を待っている
困った…注目されるのは苦手なのに…
「あーま、彼女の最後の頼みって事で聞いてやるよ」
「いつからですか?」
「あ?いつから、って何が?」
「いえ、ですから、私とあなたはいつからお付き合いしている事になっていたのでしょうか?
と言うか、会うの三度目ですよね?番号も教えた記憶が無いのですが…」
「は!?」
「え!?」
「グフーッ」
目を見開く男女と後ろの席から聞こえた思いきり噴き出す声
「く、くく…ごめ…話、聞いちゃってて…ブフッ」
「いえ、構いませんが…笑いすぎて鼻水出てますけど?」
「うえ!?ありがと…」
後ろの席に座っていた茶髪の男性がナフキンで鼻水を拭いながら可笑しそうに笑う
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