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□999本のバラの花束を君に
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イザークや、ディアッカの見送りに挨拶と軽い指示を出してから車に乗り込み
運転手の運転で自宅へと向かう

最愛の彼は家に居るのだろうか…

昨夜、さんざん人の体を貪った彼は朝起きたらベッドは既にもぬけの殻で邸内の何処にも居なかった

一番にお祝いを言われたかったのに、なんて思いながら出勤して一言文句をと思えば
自分の護衛の筈の彼は有給休暇でイザークに今日の仕事は一任されていた

「ラクス様、お疲れさまでした…
また、お出掛けの際にはお呼びください」

「はい、ありがとうございました」

自宅の玄関前で扉を開けられ、お礼を言いながら地に足を着けて玄関の扉を開く

「え…?」

ぶわりと広がるバラの薫り

たくさんの色とりどりのバラがそこかしこに飾られていて薫りの正体は一目瞭然だった

「プレゼント、でしょうか…?」

朝は当然自分は受け取って居ない
と言うことは、有給休暇を使って未だに会えていない彼が居るのだろうかと早足でリビングへと向かう

「キラ、いますの?」

リビングの扉を開ければ両手で抱える事も出来ない程大きなピンクのバラの花束の隣に跪いて見上げてくる最愛の彼
キラの姿に胸が高鳴る

「ラクス、誕生日おめでとう…
愛してるよ」

「え…き、キラ…」

するりと手を取られて小さなリップ音と共に手の甲に口付けられる

いったいこの男性は誰!?
なんて思ってしまう程度には混乱していた

キラは普段こういった事は恥ずかしがって口にはしないし、バラの花束をプレゼントなんて尚更だ


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