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□999本のバラの花束を君に
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「それにしても…なんで、今日は朝早くから居ませんでしたの?」

一番に言われたかったのに、と頬を膨らませつつ問いかければ苦笑が返され引き寄せられる
その動きにチャプン、とお湯が水音をたてる

背中に体温を直に感じながら、キラの足の間に収まり腰に腕が回され
肩に顎が乗せられ首筋に息が当たり擽ったくて身を捩る

「バラの手配とか、指輪の準備もあったんだけど…
カガリや、イザークに今日の計画の手伝いを頼んだらさ、
カガリは一番にお祝いを言う権利の代わりに今日と明日はラクスに仕事を依頼しないって約束を取り付けたんだ
イザークにラクスの休みをお願いしたら、誕生日にラクス様を独り占めさせるか!皆が祝えるように短時間だけでも出勤させろ!って言われちゃって…
その代わり、僕は有給、ラクスは準備が終わり次第帰してくれて、明日もお休みって許可を貰えたんだよ」

プレゼントの色とりどりのバラの花びらが浮かぶ乳白色のお湯を手を動かしてわざと波を立てながら話すキラに納得する

「では、明日はキラからのプレゼントを自慢する為にもパーティーにしようかしら…
カガリさんや、アスランもオーブから来てくださるでしょうか…」

「え?それはダメ」

即答に目を瞬かせ、なんで、と目で問いかければギュッと腕に力が籠り首筋に吸い付かれた

蒸気で火照った肌に鮮やかな赤が主張する

「君に一番最後にお祝いをした僕だけの特権…
ラクスを独り占めしたいんだよ」

「まぁ…キラったら…」

本当、こんな事をはっきり言う人だったかしら?なんて赤くなった顔を見られないように顔を反らしながら考えるラクスだった


end
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