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□HappyValentine
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色とりどりのラッピングの材料

その脇にはたくさんの試作品の山

部屋中には甘ったるい薫りが充満している

「……やってしまいましたわ…
こんなの作ってしまって…」

親の仇かのように可愛らしくラッピングされた包みを睨む

友人達との話からついつい、お菓子作り好きの血が騒いで
更には凝ってたっぷり時間と手間をかけて作ってしまったバレンタインチョコ

ラッピングにまで凝り性を発揮してしまって、誰がどう見ても本命チョコだ

さて、いったいこれをどうするべきかと考える

1、自分で食べる
2、父にあげる
3、友達にあげる
4、キラにあげる
5、その他

この選択肢の中から選ぶべきだろう

自分で食べる…は、試作品の山を見ると嫌気が差す
一人暮らし中の自分が実家の父に手作りチョコを郵送する、というのもなんだか危ない気がする…主に父の体調的な意味で
友チョコ…は、他のも作りたいからと今冷蔵庫で固められているのがある
2つも渡されても困るだろうし、ラッピングのせいでフラれたと勘違いされるだろう
その他は思い浮かばないので却下

「…キラにあげる、しかありませんわね…」

ポツリと呟いて、自分の言葉にまるで鬼の首をとったかのような顔をするであろう彼氏を思い浮かべる

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