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□誘拐の仕方
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『すみません、お宅にうちのラクス行ってませんか!?』

時計の針ももう真上を指そうかという時間、近所の家から掛かってきた電話に家を飛び出していた

後ろで今日の合コンでお持ち帰りした女の子が喚く声が聞こえたけれど、直ぐに服を整えて追い出し、夜の町を走る

「っ!?ラクス!」

「っ…き、らくん…?」

日付も代わった頃に公園の植え込みの隙間にすっぽりとハマる小さな人影を見付ける

近所に住むラクスは確か今度、6年だと話していた

パジャマ姿で裸足のまま膝を抱えて地面に座り込むラクスに、
息を整えながら近付けば不思議そうに見上げてくる
自分がどれほど心配をかけたのか分かっていない顔だ

「ラクス!君、何を考えてるの、こんな時間に!?」

「探してましたか…?」

「探したよ!君のお父さんから連絡きて…
せっかく今日の合コンで一番人気ゲットしたのに、何も出来なかったしね!」

30分近く探して走り回った苛立ちをついぶつけつつ、内心ではラクスの無事に安堵する

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