‡Title

□初恋にまつわる5題<完結>
2ページ/5ページ

2.これが、恋?

太陽のようなキラは本当に、私を太陽の下に連れ出してくれて
自由をくれた

好きな所に行くように言われて、キラの側に居たいと伝えたら一緒に旅をして
今まで与えて貰えなかったし
自分も、求めなかった知識をたくさん教えてくれた

今では低学年向けの本なら読み仮名無しでも全部読めるくらいになっていた

本を読むとキラが褒めてくれるから嬉しくてたくさん読んだ

「……ふぅ…キラ、読み終わりましたわ!」

「え?もう?スゴいねラクス…
前は詰まって時間かかってたのに…」

読み終わった本を見せて報告するとキラは目を瞬かせてからにっこりと微笑んで頭を撫でてくれる

キラに頭を撫でてもらうと胸がポカポカして、何でも出来そうな気持ちになる

この感情が何なのか解らなくて
キラに聞いたら少しだけ困った顔をして
「それは、ラクスが褒めてもらって嬉しいって思ってるんだよ」
って言われた

でも、なんとなく違う気もして…
キラを疑ってる訳じゃないけど、嬉しいって気持ち以外にもあるような気がしていた

旅をして数ヵ月
今では褒めてもらう以外にも
キラを見ただけで胸がポカポカして、幸せな気持ちだし
キラに嫌われて置いてかれたらって思っただけで泣きそうになってしまう

大好きって言葉だけじゃ全然言い表せないこの気持ちはなんなんだろう?と首を傾げていると
キラが買い物をしているお店のアルバイトの女の子がどうしたのかと聞いてきた

「あの…何故か、キラを見ると胸がポカポカして、幸せな気持ちで
でも、嫌われたらって思うと泣きそうになってしまうんです…
他の人にはなった事がありませんのに…」

「なるほど、それはそのキラさんが好きだからですよ!」

「好き?それは、当然ですわ!
私、キラが大好きですもん」

「そうじゃなくて…うーん…つまり、キラさんに恋をしてるんですよ」

にっこりと微笑んで告げる女の子に目を瞬かせる

恋…恋って、なんだろう?

「恋をすると、その人の事ばっかり考えたり…
嬉しくなったり悲しくなったり…感情がその人次第で変わっちゃうんです…」

「…でも、恋をしたからって何が違いますの?」

「相手も自分に恋をしてくれたら今まで以上の中になれるし…
長く付き合ってたら結婚とかもあるじゃないですか!」

私よりもはしゃぐ女の子に驚きつつ、キラに恋をしているのか、と思うと
今までのポカポカしたり、悲しくなったりが納得できた気がする

「そっか…恋…これが、恋なんだ…」

知らなかった事を知れた喜びと
キラはやっぱり自分にとって特別な存在なんだと知れた喜びに自然と頬が緩むのを隠せなかった


next
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ