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□青の中の赤13
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(そうだった…彼女は…ラクスは、特定の人に甘えん坊だけど頑固で…
自分の正義の為には手段を選ばない人だった…)

「……ありがとう…ラクス…君のために、僕はまた戦う…
君のお陰でまた、戦える…」

僕の新しい機体を見上げて、格納庫のライトに照らされたそれは、とても頼もしい相棒だと心の底から思えた

「…キラ…」

「ラクス…?んっ!?」

名前を呼ばれ顔を向ければ、頬にキスをされそのまま、唇を奪われる

「ん、ふ……私も…平和の為に歌い続けます…」

「ラクス…うん…歌って?君の愛の歌を…」

微笑み合って、もう一度触れるだけの口付けをして、コックピットへ乗り込む

ラクスから託されたフェイスの証、新しい力…
フリーダムのコックピットはまるで自分の為に用意されたかのように、全てが馴染んだ

スイッチを入れ、OSを確認していると、ブリッジが下がっていく
危なくないようにと入り口付近まで移動したラクスが、閉まる扉越しにニッコリと微笑んで手を振っていて自然と頬が緩む

見えていないけれど、手を振り替えしてレバーを握り直す

「キラ・ヤマト…フリーダム、行きます!!」


「……さようなら、キラ…」

飛び立っていった愛しい人を見送り、小さく呟き
深呼吸をして、表情を引き締め歩を進める

もう一人、力を求める人に与えなくては…

それで、二度とキラに会えなくなったとしても…

自分もキラが笑って過ごせる未来のために戦わなくてはいけないのだから…

隣に自分が居なかったとしても……


「…お待たせしました、アスラン…」

キラが使ったのとは別の更衣室に待たせていた人物に微笑みかけた


end
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