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□バイオレーション
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今日もまた、満員の観客の歓声に包まれる中試合が終了した
ミーティアの勝利に沸く会場に軽快な曲が流れると更に熱気に包まれる
フォルトゥーナの面々が衣装に身を包み、整列すると
スラリと伸びた足を高くあげるラインダンスを披露し
そのまま、軽やかに踊るチアリーダー達への歓声を浴びながら曲の終わりと同時にポーズを決め
今日の全ての演目が終了する
「は〜疲れた〜!」
控え室に戻るとミーアがベンチに腰掛けタオルで汗を拭う
「ねぇ、このあと打ち上げって事で皆で食事いきません?」
「わぁ、いいですね!」
盛り上がるメイリンとシホ
しかし、ラクスとルナマリアは困ったように眉を下げ首を振る
「すみません…私、今日は用事があって参加できませんわ…」
「あたしも、ちょっと約束があるから…」
二人の言葉に残念がりながらも頷いて帰り支度を済ませ、控え室を後にするメンバーを見送る
「…はぁ…逃げ出したい、です…」
「あたしも…でも…」
ガタン、と音をたててベンチに腰掛け大きな溜め息を吐くラクスの隣に腰掛け、沈んだ表情を浮かべるルナマリア
〜♪
ほぼ同時に二人の携帯が着信を知らせ
顔を見合わせそっと確認すれば、予想通りの相手だった
「…キラに、呼ばれましたから…」
「あたしも…今から来るって…」
ルナマリアに別れを告げ、荷物を持ち選手専用の控え室へと向かう
「…ラクスです…」
「入って」
軽くノックをして名乗れば、一言だけ返されそっと扉を開くと腕を引かれ引き寄せられ扉が締まり鍵がかけられる
「ラクス…今日も可愛いね…」
「っ…」
うっとりした表情で呟きながら頬を撫でるのは、チームの司令塔のキラだ