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□シスブラ
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「信じられません!!
もう、キラなんか知らないんだから!!」
ワンワンと泣きわめくのは、高校時代から付き合っていた腹黒な男の元に嫁に行ってしまった大好きな姉、ラクス
大学生として、バイトや勉学…更には希望職種の為に資格取得にとリア充過ぎて逆に気の休まる時間の無い日々を過ごしていたシンが帰宅すると
大きなキャリーバッグを持ったラクスが玄関の隅で体育座りをして泣いていた
慌ててリビングに通し、たまに遊びに来るラクスの為にと常備してある紅茶の中からハーブティーを選んで、
落ち着かせようと試みたのだが、優しさが逆効果だったのか、冒頭の叫びと共に泣きわめいている
「えっと…キラの奴とケンカしたの?」
「私は悪くないもん!!」
キッと涙目で睨むラクスに苦笑を浮かべつつ、ラクス直伝の洗濯方によりフカフカのタオルを渡す
「う…ぐす…キラが謝らなくちゃ…私は帰りません…
離婚だって、考えてるんですから!」
「え!?じゃあ、姉ちゃん暫く家にいるの?」
あんなにムカつくほどにラブラブな二人からは想像できないような言葉に目を瞬かせるも
大好きな姉が大嫌いな男を漸く見限って実家に戻ってくるのなら万々歳だ
「はい…家事は私がしますわね…」
「うん!姉ちゃんの部屋、たまに換気はしてるけどそのまんまだから」
ありがとう、と微笑む姉にまた家族三人水入らずで過ごせると嬉しくなる
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