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□わんわんお
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その日はとても良い気分だった

仕事で自分が任されたプロジェクトが順調に進み、当初の予定よりも早く良い結果が出そうだと
直属の上司のバルトフェルドが飲みに連れて行ってくれて、普段の自分では手のでないようなワインを開けてくれた

初めて任された一大プロジェクト
半年近く休日にも頭を悩ませながら駆けずり回った結果が最良の評価を引き連れて目前に迫っていた

ほろ酔い気分で鼻唄混じりに最寄りの駅から住み慣れたマンションへと向かい
エントランスに入ろうとして、ふと視線を奪われた

物影で、風を凌ぐように丸まって目を閉じる少年と青年のちゅうかんぐらいの男の子

自分と同じか少し下かな?と思いながらトテトテと何時もよりも覚束無い足取りで近付きまじまじと観察する

「………」

「……なに…?」

「わ!起きてた!」

「……」

視線に耐えきれず半目で短く問い掛けてくる男の子に目をパチパチさせれば煩わしそうにジロッと睨んでくる

「君は、ここで何をしてますの?」

「……」

ニコニコと、酔いに任せて問い掛ければ瞼が閉じられ、無視されてしまう

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