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□HAPPYBIRTHDAY!
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「Happy Birthday!
I love you with all my heart」

流暢な英語で「誕生日おめでとう、愛しい君」なーんて歯の浮くような台詞を吐くのは
目の前に座りニコニコと微笑んで見つめてくる彼氏様

「……」

「あれ?英語が苦手なラクスは聞き取れなかったのかな?
もう一回言う?それとも日本語がいい?」

ニコニコと、優しい笑顔のまま言葉は全く優しくないキラを軽く一睨みしてから、目の前のテーブルに視線を落とす

一人暮らしには充分だが二人ではちょっと小さいローテーブルに所狭しと並ぶ料理と、主役顔で真ん中に鎮座するイチゴのソースを使ったピンク色のケーキ
イチゴで飾られた真ん中にホワイトチョコレートのプレートに『Happy Birthday ラクス』と書かれている

「あ、ケーキ食べたいの?
ラクスは食いしん坊だなぁ…今切り分けるね」

「…キラ、その前に言うことがあるんじゃありません?」

「ん?言うこと…?
ん〜……あ、プレゼントは僕じゃなくてごめんね?」

「キラはもう私のなので今更貰っても困ります…って、そうじゃなくて!!」

いそいそとケーキを切り分け、小皿に慣れない手付きで乗せるキラに思いきり突っ込んでしまった

「はぁ…私、まさかいきなり家に押し掛けられて自分の誕生日のディナーとケーキを作らされるとは思いませんでしたわ…」

ケーキも、料理も…主役である自分がキラのリクエストで作らされたのだ
何が悲しくて誕生日当日にチョコレートのプレートに自分の名前を書かねばならないのか、と朝から何度もため息を吐いた

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