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□シロツメクサ
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「今日のお夕飯は何にしようかしら…
昨日の溶き卵スープが残ってるから…中華風にしましょうか…」

「僕はハンバーグが食べたいな」

「………キラ…」

またもや身体が宙に浮く感覚と、独り言に返され、溜め息を吐く

「あなた、今日は合コンなんでしょ?夕飯要らないでしょう…」

「え?僕今日合コンなの?初耳なんだけど…」

「え?別の学部の子達が、キラと合コンだから勝負下着に着替えなきゃって騒いでましたけど?」

二人して目を瞬かせるも、時折目当ての子を呼ぶ口実にキラの名前を使う事があるから、今回もそれだろうと納得して歩き出す


「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさまでした」

キラ希望のハンバーグに麻婆のタレをかけて、昨晩の残りの溶き卵スープと中華風ドレッシングをかけたサラダで夕食を終え、揃って手を合わせる

片付けはキラが勝手出てくれたので任せて、自分はお風呂の支度

ワンルームの学生向け駅近お手頃マンション、セキュリティは万全でバストイレ別なのに追い焚き機能が無いのがこの物件最大のデメリットかも、なんて
毎日課題で疲れていてもキチンと毎日湯船に浸かりたいタイプとしては洗濯に使っても余った残り湯を流して新しいお湯を溜める

ちょっと熱いくらいの温度でお湯を溜めながらリビングに戻ると洗い物を終えたキラが紅茶を淹れてくれていた

困った事に、キラは毎日のように訪ねてくるせいか私の家の何処に何があるのかをしっかりと把握しているのだ
もしかしたら、自分の部屋よりも熟知してるんじゃ、なんて疑問すら浮かぶ

微かに聞こえてくる湯船に溜まる水音に気を配りながら、キラの淹れてくれた紅茶を啜りつつテレビを見る

本当は来週いっぱいが締め切りの課題があるのだけど、今日はお医者さん特集の仕事情報バラエティがあるからそっちを優先

「……ところで、キラは何時までいますの…?」

「んー?明日は午前中先生が手術で空いてるから泊まるつもり」

「そんな当然のように…」

ちょっと呆れつつも、何時もの事、と了承してお湯を止めに行く

熱が逃げないように蓋をしてリビングに戻れば当然のように膝に座らされる

これは…するつもりかな?なんて思いながらも気付かないふりしてテレビを見つめる

お風呂を熱めに容れておいて良かったと思いながら、モゾモゾと身体をまさぐり始めたキラの手に身を任せた

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