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□虜
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「ラクスの方はどんな感じ…?」
「相変わらず、ですわ…
先週引越したのにもうバレてしまったみたいで…」
ため息混じりに答えルナさんは?と問い返せば深いため息が返される
「私も同じくね…
昨日も帰宅したら『おかえり』って電話来たわ…」
二人して重いため息を吐き、どうしたものかと考え込む
その後も暫く食事をしてから帰路に着く
「大分遅くなっちゃったわね…
今日は家に泊まってくんでしょ?」
「はい、今日はお世話になりますわ」
夜の町を並んで歩きながらルナマリアのマンションへと向う
お互いにストーカーの恐怖から互いの家を行き来したり、仕事で会えない日はホテルに泊まったりと居場所を転々としていた
しかし、何処から漏れたのか、携帯に電話やメールが届き帰宅時間や居場所までもがバレていた
今日もきっと、バレているのだろうな…と半ば諦めにも似た感情で最寄り駅の改札を抜け住宅街を歩く
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