□人生は小説よりも…
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小説家の仕事をしている僕が24歳の時、暫く前に別れた元カノがいきなり家に現れ
あんたの子だ!と当時3歳の娘、カガリを押し付け去って行ってから
シングルファザーとして、男手一つで育てた娘

男手一つ、というのが悪かったのか
成長したカガリは随分男勝りな娘になっていた


そんなカガリが高校に入学して、友達が出来たから、家に呼びたいと言い出し
小中学生の時にも友達を呼んでいたのだし、断る理由も無いから
好きにしたら?とだけ告げれば翌日直ぐに連れて来た


男勝りなカガリとは正反対な、おしとやかで何処か品のある彼女、ラクスに一目で欲情した


それから、度々遊びに来たラクス

僕の小説のファンだったらしく、カガリが自慢気に僕のペンネームを告げたら
感激して泣きだし鞄から僕の既に読み古された発売したばかりの新刊を取り出し
震える声でサインをねだられた


その後、優しい友達の父親
憧れの小説家と言う仮面を被り仲良くなり

遂に今日、カガリが部活の合宿で居ないのに、家に遊びに来る約束を取り付けた

最初は遠慮していたのだが、執筆中の新作を読んで評価が欲しい、と言えば
ラクスは新作を読みたいという欲に負けて頷いた



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