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□カナシムココロ
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「お待たせいたしました
ラクスです。何か、ご用でしょうか?」
「ルナマリアです。
えと…私達、何かしてしまったでしょうか?」
店舗に顔を出すと父の前に立っていたのは有名な財閥の兄弟が立っていて
お得意先ということもあり慌てて正座をし
自分達に何か非があるのだろうかと思考を巡らせる
「ふぅん…近くで見るとますます、いいんじゃない?」
「だな…兄貴はこっちだろ?」
まるで自分達を商品を値踏みするような視線で見る二人に微かに嫌悪感を抱きつつ
店の為、家の為と割り切り、じっと耐える
「うん、じゃ、君達二人…貰ってくよ」
「え?あ、あの…」
「ほら、早く立てって」
「きゃ!?な、何…?」
訳も解らないまま黒髪の少年にルナマリアは腕を引かれ無理矢理立たされ
ラクスも鷲色の髪の青年に手首を引かれ慌てて立ち上がる
「君達は、担保ってやつ?
だから、大人しく着いて来てよね」
店、大事でしょ?と笑う青年に微かに青ざめ
父へと助けを求めようと視線を向けたが
苦々しい表情で顔を反らされ、どうにもならない状況なのだと気付く
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