□カナシムココロ
3ページ/15ページ


無理矢理停まっていたリムジンに押し込まれ
遠ざかって行く家を見ながらこれからの事や
今の状況をなんとか少ない情報から理解しようと試みる

「…あ、あの…なんなんですか…急に…
私達、何も聞いてなくて…訳が解らないんですけど…」

ルナマリアの遠慮がちな問いに少年は笑みを深くし口を開く

「俺はシン、こっちは兄貴のキラ
あんたら姉妹は、担保として俺等の物になったんだよ」

「担保、とは…?」

躊躇いがちに問いかければ、直ぐ様返答が返ってくる

「君達の店にうちがスポンサーに付こうって事になってね?
だけど、タダでスポンサーになるのもこちらに得が無い…
そこで、君達姉妹を担保として僕達が貰う代わりに
幾らでも融資を行うって約束したんだよ」

「そんな…それで、どうして…私達が担保だなんて…」

「ん〜…ちょうどいい玩具が欲しかったから、かな?」

返ってきた言葉に目を見開き
視界の隅でルナマリアの腕が振り上げられたのに気付く

乾いた音は響かずシンに捉えられそのまま抱き締められる



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ