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□カナシムココロ
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無理矢理停まっていたリムジンに押し込まれ
遠ざかって行く家を見ながらこれからの事や
今の状況をなんとか少ない情報から理解しようと試みる
「…あ、あの…なんなんですか…急に…
私達、何も聞いてなくて…訳が解らないんですけど…」
ルナマリアの遠慮がちな問いに少年は笑みを深くし口を開く
「俺はシン、こっちは兄貴のキラ
あんたら姉妹は、担保として俺等の物になったんだよ」
「担保、とは…?」
躊躇いがちに問いかければ、直ぐ様返答が返ってくる
「君達の店にうちがスポンサーに付こうって事になってね?
だけど、タダでスポンサーになるのもこちらに得が無い…
そこで、君達姉妹を担保として僕達が貰う代わりに
幾らでも融資を行うって約束したんだよ」
「そんな…それで、どうして…私達が担保だなんて…」
「ん〜…ちょうどいい玩具が欲しかったから、かな?」
返ってきた言葉に目を見開き
視界の隅でルナマリアの腕が振り上げられたのに気付く
乾いた音は響かずシンに捉えられそのまま抱き締められる
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