□stray sheep
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料理の評判も良く、小さいながらも町一番のカフェになっていた


其処に、周辺の市町村を全て取り仕切っている兄弟が来る、となり
店は貸し切りになった

食事を用意したらコックは帰るように、と指示が出され
店内には兄弟と姉妹の四人だけ

眉目秀麗な兄弟で権力者な二人は
人の視線が嫌いだからと店のカーテンも全て締め切らせ
姉妹に給仕をさせながら黙々と食事を進めていた


普段は美味しい、と皆が笑顔で食べてくれる料理だが
二人は険しい表情で書類を片手に難しい話をしている


「あの…お味は、いかがでしょうか?」

耐えきれず、妹のルナマリアが声をかけると
『今大事な話をしてるから』と一蹴されてしまった

「け、権力者だからって…
食物に…命に感謝しなくて良いわけでは、ありませんわ
あなた方の栄養になる為に命を落とした食材に感謝しながら…
きちんと命を頂かなくてはいけません」

ルナマリアの落ち込んだ様子に遂に姉、ラクスも耐えきれず
震えながらもはっきりした口調で告げる

その言葉に兄弟は目を見開き顔を見合わせ
邪悪な笑みを浮かべる



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