□家族は〇〇〇
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来年には会長は卒業する…

そしたら、当然『会長』じゃ無くなるからそれまでに別の呼び方に馴れなくちゃなと思いながら
着替えに自室に行くと告げ階段を上がる

階段を上りきった所でドアが開き、キラが帰宅した事に気付く
パタパタと会長のスリッパが鳴り嬉しそうに出迎える

キラもまた、嬉しそうに会長に挨拶をしている

どうするか悩んで、階段の上から顔を出して声をかければ、何時ものように笑顔で挨拶を返される

そのまま、制服から着替えようと自室に入り部屋着に着替え
会長が来てから注意された通りに埃を払い皺にならないよう気をつけながらハンガーにかける
ワイシャツは洗濯に出す為脇に置き明日の学校の準備を済ませながら宿題の確認

夕飯の後の勉強の時間に教わる教科を小脇に階下に降り洗面所でワイシャツを洗濯に出してリビングに戻る

キラも着替えに行ったのか会長が夕飯をダイニングテーブルに運んでいる最中だった

棚の上に教科書等を置き、手伝いを申し出れば、おかずの運搬を任される

その間に味噌汁をよそう会長に
母親が居たらこんな感じかな…とか思いながらテーブルに並べる

リビングに来たキラに手伝いを誉められ照れ隠しについキツい口調になったけど
キラは当然解っているから軽く頭を撫でて終わった

それぞれの席に座り、会長の絶品な料理に舌鼓を打ち、食べ終われば勉強

会長はバイトをしていないから、俺達が居ない時間に家事と平行して勉強を終わらせているので
この時間はダイニングで勉強する俺に二人が付きっきりで家庭教師役になる

そして、順番に風呂に入り就寝

『キラと会長は夫婦なんだから同室にしたら?』と言ったが
『未成年のうちはキスまでの約束だからね』と肩を竦めて苦笑浮かべ
最低でも卒業するまでは寝室は別だと言っていた

会長のご両親…書類上、俺の祖父母に当たる人達は
娘と2歳しか変わらない俺を『初孫だ!』と可愛がってくれる

キラの両親も俺が引き取られる前に他界していたし、本当の祖父母も生まれる前に他界
だから『孫』と言われる事が少し、擽ったかった

だけど、だからこそ、本当はキラも会長も夫婦水入らず俺が居ない方が良いんじゃないか
もしかしたら俺を邪魔に思ってるんじゃないかとか色々考えてしまう

キラにしてみれば、ようやく見付けた結婚相手だし
会長も、いきなり子持ちだし…
新婚だから、本当は二人きりの方が良いんじゃ…と
ついつい悩んでしまう


学校でもバイト中でも、その事が頭から抜けず
つい、溜め息が漏れる


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