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□家族は〇〇〇
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「バイトが長引いてるだけだろうって言っても聞かなくてね
シンに何かあったのかってずっと心配してたんだよ
ちゃんとラクスに謝りなね?」
キラが立ち上がり苦笑気味に頭を撫でられる
邪魔に思ってるかもとか考えてた自分が急に恥ずかしくなって、上手く言葉を話せなかった
二人にとって俺は血の繋がりが無くても、年齢が近くても
ちゃんと『息子』だったんだと改めて思い知らされた
「…心配かけてごめん…
次からは、ちゃんと連絡するよ…
…父さん、母さん…」
「!?し、シン…今…」
「わ、私の事お母さんって…」
今度は二人が目を真ん丸にして呆然としている
その姿がなんだか可笑しくてつい吹き出してしまった
「あ〜俺今日バイト残業だったから腹減ってるんだ!
今日の夕飯は何?母さん」
「あ、え、えと、今日はハンバーグカレーですわ
今準備しますわね」
嬉しそうに頬を緩めてキッチンに駆けていくラクス
「初めて、父さんって呼んでくれるからちょっとビックリしたよ」
「ま、軽い心境の変化ってやつだよ
着替えてくる」
キラに軽く笑いながら言い靴を脱ぎ自室へと向う
この日、ようやく三人は『家族』に成れた気がした。
end